夜、入口のあたりで立ち止まる

夜。
入口の近くは灯りが弱い。
影が長い。
鍵を触って、離す。
金属の冷たさが残る。
手首に少し力が入る。
靴は履かない。
置いたまま。
床との距離が変わらない。
背中を壁に預ける。
呼吸は数を数えない。
胸の奥が一瞬だけ詰まる。
前にも、こうして動かなかった。
守るための止まり方。
使い慣れた形。
入口と自分の間隔はそのまま。
物の位置も動かない。
この残り方が、まだ続いている。