昼、置いたままのマグカップ

昼。
テーブルの中央に、マグカップ。
触らずに、椅子を引く。
カーテンの影が少し動く。
スマートフォンを伏せる。
通知は見ない。
水を一口含む。
喉の奥で止まる。
肩だけ、わずかに上がる。
前に進まない癖は、長く続いている。
選ばない動き。
それが残っているかもしれない。
カップの位置は変えない。
椅子との間も同じ。
この距離が、まだ保たれている。